群像劇パーティ!

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時の止まった赤ん坊
時の止まった赤ん坊
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曽野 綾子
海竜社
売り上げランキング: 698,491

作品名:時の止まった赤ん坊
著者:曾野綾子
発行:1984年(新装版2014年)
あらすじ:
マダガスカルにある、キリスト教の産院で働く日本人シスターの物語。

信心深くない私だが、それでも「導き」を感じることがある。

本書との出会いは図書館である。
夏休みを利用してガッツリした小説が読みたいなと思っていた時分、
目に入った分厚い本書(新装版)を棚から引き抜き、ページをめくる。
それは何でもないように見えて、やはり入江茜にとっては、いつみても奇妙な光景だった。
紗をなびかせたような激しい驟雨の中で、もの干しのロープに干された二、三十枚のシーツが、取り込もうとする人もないままに、滝のような雨に打たれている。
なんとも気になる・気に入る書き出しである。
そのままぐいぐいと物語のなかに吸い込まれていった。

異国の貧しい土地で働く日本人シスターが「教え」と「現実」のあいだで
葛藤しながら、修道女兼助産婦として暮らしていく日々が、淡々と描かれている。

生まれてくるから生まれてくる赤ん坊たちを、無事出産させるため、
常に最善を尽くすシスターたち。生まれることもあれば死産することもある。
五体満足でないこともある。生み出したあとも数日後に死んでしまうこともある。
それらすべてを本作は、淡々と、生活の流れとして書きつらねている。

人間の生と死が平等に、平坦に描かれる本作。久々に充実した読後感を得た。
読み終えた後、思わず本書を高らかに掲げた。意味はない。

細かいことだが文字の大きさもちょうどよかった。
本のサイズ、紙の厚み、フォントの大きさと行間が
ぴたりと合わさった木組み細工のような本。
こういう本に出合うのは一年一冊あるかないかだ。
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# by 3G_gi_gei_go | 2017-08-26 12:05 | 作品紹介(小説) | Comments(0)
放送:NHK
放送日:毎週金曜22時50分~
概要:
人々が行き交う街角に3日間カメラをすえてみる。
同じ時代に、たまたま居あわせた私たち。
みんな、どんな事情を抱え、どこへ行く?

これは群像劇ではなく群像――人間模様。
この日本で生きている、いたって普通、本当に普通、まぎれもなく普通の、
いわゆる市井の人々の生活を、リアルに撮影した「ドキュメンタリー」である。
フィクションではない。だから凄まじく心を揺さぶられる。

「事実は小説より奇なり」と言われるが、事実が奇に見えるのは、小説という
基準の奇があるからであり、それだけ作家は粉骨砕身で小説を作っている、ともいえる。
だって事実の9割9部は、平々平々平々平々凡々凡々凡々凡々なのだから。
しかしそんな平々平々平々平々平々平々凡々凡々凡々凡々凡々凡々の事実――
人々の生活を、定点的に切り取ることで、そして絶妙に編集することで、
このドキュメントのように、とてつもなく愛おしい物語が出来上がってしまう。

フィクションはノンフィクションに勝てない。当たり前だとも思える。
言い訳するならば、カメラに収めた時点でフィクションである、とか言っちゃう。
「実話」を売りにする映画が存在するのは、もうそれだけでフィクションは
ノンフィクに負けていますよ、と、つくり手が言っているようなものなんだよね。

剣と魔法の実話ファンタジーが出てくることはない。しかしフィクションに
ノンフィクションが絡んでないかといえばそうではないし、ノンフィクよりも
超越した面白さを発揮することが出来る。

だからこそ私はフィクションに、架空に、物語に、ファンタジーに、SFに賭したい。


さておき。
これまで2年間ヌケヌケでやってきましたが、
4月から新天地での生活となるため、本ブログはしばらく(結構)止めたいと思います。
ありがとうございました。
ロバート・アルトマン作品はひとつも出さなかったなあ。。。


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# by 3G_gi_gei_go | 2017-03-29 00:00 | 作品紹介(その他) | Comments(0)
ラジアントヒストリア(特典なし)
アトラス (2010-11-03)
売り上げランキング: 816

作品名:ラジアントヒストリア
発売日:2010年(平成22年)
発売元:アトラス
あらすじ:
導け。
あるべき歴史を、光のもとへ。
歴史が動いた「あの瞬間」を、もし、やり直せるとしたら――。
平行する二つの世界で過去と未来を行き来し、その手で正しい歴史へと導け。


今年の六月に3DSでフルリメイクすると聞いて、
そういえばある意味これも群像劇だな、と思ったので記す。

ある意味、と言ったのは、本作は明確に主人公は一人だからだ。
神聖国家アリステルの情報部員・ストックが「白示録」を手に入れた
ところから話は始まり、冒頭で、大きな二択を迫られる。
これが分岐点となり「正伝」と「異伝」に別れ、ストーリーはそれぞれの
時系列を行ったり来たりしながら進んでいく。
タイムスリップをここまで大真面目に、実直に行ったゲームはなかなか見当たらない。

選択肢をちょっとでもミスるとすぐ世界滅亡してしまうのもアドベンチャーっぽいし、
なにより笑える。ただセーブと時間移動はどこでも任意に出来ると良かった。
とにかく惜しいゲームという印象があった。

3DSのリメイク作では新キャラのほか「亜伝」と呼ばれる
第3の時系列も存在するという。楽しみだ。
敵キャラをもうちょっと柔らかくして欲しいとか、
足音をON/OFFできるようにして欲しいとかあるけど、ううむ、楽しみだ。


<関連作>
アヴァロンコード(特典無し)
マーベラスエンターテイメント (2008-11-01)
売り上げランキング: 7,719

DSで惜しいRPGといえばコレ。
グラフィックもアクションも良かったんだけど、
システムをもうちっと、もうちっと。
こっちも改善してリメイク待ってます。


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# by 3G_gi_gei_go | 2017-03-22 21:42 | 作品紹介(ゲーム) | Comments(0)

満員電車は走る(音楽)



作品名:満員電車は走る
発売日:2012年(平成24年)
アーティスト:曾我部恵一バンド

テクノロジーが発展し続けるにも関わらず、
20世紀からなくならない悪癖のひとつが満員電車だ。
満員電車が好きと言う利用者は皆無だろう。誰もが乗りたくない。
しかし乗らないわけにはいかない。でなければ日々を生きられない。
だから満員電車は満員となる。分かっちゃいるのに止めらない。

辛い現状に甘んじて満員電車に乗り込む人々。できればこんな辛いこと
したくない。毎日すし詰めで、好きでもない仕事にいくことなんて。
けど、じゃあ他に好きなことはあるか、暮らして行けることはあるか、
と考えると、それも思いつかない。たぶんない、と諦めて、現状をつづける。
その心情をそのまま表したものが満員電車という現象なのだろうか。

ただし満員電車に乗るのはサラリーマンだけでない。
アルバイトの面接を受けに行く女や、学校に通う子供も、
同じ時間帯に満員電車に乗らなければならない。

満員電車とともにある人生。本作はその現状を問いかける。
1億2760万人へ強く、寄り添うように問いかける。



曽我部恵一BAND
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曽我部恵一BAND
Independent Label Council Japan(IND/DAS)(M) (2012-04-04)
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# by 3G_gi_gei_go | 2017-03-15 00:48 | 作品紹介(その他) | Comments(0)
化物語 Blu-ray Disc Box
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アニプレックス (2011-12-21)
売り上げランキング: 5,130

物語シリーズ セカンドシーズン 猫物語 白、傾物語、囮物語、鬼物語、恋物語、花物語 完全生産限定版全12巻セット [マーケットプレイスBlu-rayセット商品]

作品名:物語シリーズ セカンドシーズン
発表:2013年・日本
スタッフ:
 原作:西尾維新
 総監督:新房昭之
 監督:板村智幸
 出演:神谷浩史、斎藤千和、堀江由衣、花澤香菜ほか
あらすじ:

とある日本の田舎町に住む高校生・阿良々木暦は、春休みに襲来した

吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードに

襲われたことで吸血鬼の体質を持つ人間となった。それからの半年間、

阿良々木暦は様々な怪異に関わった少女たちと出会い、その事件を

解決していった。夏休みが明け、私立直江津高校にも二学期が訪れ

ようとしていた。怪異を克服したはずの少女達に新たな「怪異」が襲来する。

(以上Wikipediaより)



ゼロ年代作家の代表・西尾維新 原作のTVアニメ。
化物語、偽物語+猫物語(黒)につづく第三期。

『猫(白)』『傾』『囮』『鬼』『恋』『花』それぞれで、
単独のキャラクター一人に焦点を当てて描かれる。

各話の時間軸をクロスさせ、時系列をシャッフル
させている。そのため話の節々に、別話での出来事が
からんで、ストーリーを層的に見せている。すべてのシリーズを
見て、ネットなどで時系列を調べれば、全体の流れが分かり
より深く楽しむことができる。

じゃあ調べなかったら楽しめないかと言えばそういうわけでない。
話の節々で分からない場所が出てくるのは確かだが、それを補うほどに
『魅せ』てくれるのは、映像の演出と声優の演技のすばらしさ。
過剰なまでの演出的演出と演技が、心地よい視聴を可能にしている。

とはいえ深く楽しむには最初から見るに限る。
まずは『化物語』から見るのがおススメ。



<関連作>
化物語(上) (講談社BOX)
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西尾 維新
講談社
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# by 3G_gi_gei_go | 2017-03-08 00:00 | 作品紹介(その他) | Comments(0)

バベル(映画)

バベル [Blu-ray]
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ギャガ・コミュニケーションズ (2012-07-03)
売り上げランキング: 19,324

作品名:BABEL
発表:2006年・アメリカ
スタッフ:
 監督:
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
 脚本:
ギジェルモ・アリアガ 
 出演:
ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、役所広司、菊地凛子ほか
あらすじ:

 仲を修復しようとモロッコ旅行をする夫婦が乗る観光バスに銃弾が撃ち込まれる。
 ベビーシッターは結婚式のため、面倒を見ている子供2人を連れてアメリカから
 メキシコを越える。そして日本では聾の女子高生が普通の生活をしたいと、
 つづけていた。


場所の違う場所で起こる出来事が少しだけ絡み合う群像劇だが、
最後に一本になる、とはならない。テーマ指向の群像劇。

時間軸も少しづつずらされている。本作のテーマは人と人とのつながり。
バベルの塔の罰として、人々の言葉がバラバラにされた通り、
言葉の通じない人々がどうやってつながっていくか、いけないかが表現される。

各話がどうつながっていくのか、を楽しみたい群像劇ファンには
少々物足りないかもしれない。


<関連作>
シリアナ [DVD]
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ワーナー・ホーム・ビデオ (2006-07-14)
売り上げランキング: 35,491

バベルと同じような構成の群像劇作品。
キャッチコピーは『全部、つながっている』。
で、タイトルがシリアナ。。。




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# by 3G_gi_gei_go | 2017-03-01 00:00 | 作品紹介(映画) | Comments(0)

夜警(絵画)


作品名:夜警
作家:レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン
発行:1642年・オランダ


集団肖像画というジャンルの画がある。
市井の人々が比較的有名な画家に肖像画を描いてもらうことは、
難しかった。それは金銭的な問題によるところがほとんど。
宮廷画家に依頼するともなれば、それこそ宮廷に住まう人々が
払うような額で依頼しないといけない。そもそも宮廷画家は
庶民ひとりの肖像画などそうやすやすとは受けぬだろう。
そこで人々は考えた。一枚のキャンパスに一人を書くのでなく、
一枚に複数人を描いてもらうのだ。お代は描いてもらう人々が
皆で出し合うことで、一枚に一人描くよりも安くで依頼できる。

そうして集団肖像画はその時代に大流行した。主に組合単位で、
同額で集金したお金を支払い、大きめのカンバスに皆の肖像を
描いてもらう。
もちろん一人用の肖像画のように正面をきちんと向き、
皆平等に支払った分の通り、皆平等のサイズで描いてもらう・・・

・・・のが、集団肖像画のルールだった。
しかし本作『夜警』は違った。大きく違った。
人々の大きさはバラバラで、しかも向いている方向もバラバラだ。
しかしそれでこそ、この画はピタリと収まった統一的構図を醸している。
一枚の画として大完成に至っている。
それまでの集団肖像画のルールからは、明らかな逸脱だったにも関わらず。
皆平等に支払ったにも関わらず。
(実際は、中心に描かれたフランス・バニング・コック隊長と隣の
ウィレム・ファン・ラウテンブルフ副隊長は、こっそり多めに
払っていた)

肖像画と言えば、普通は写真っぽく、正面をむいて無表情なものが多いが、
本作は構図に凝り、ポージングに凝り、配置に凝っている。
そして後年着けられてしまった名前『夜警』が加わることで、
今から、彼ら勇敢なる市民隊が市民の安全のために夜間警邏に向かおうとしている、
そんなドラマが浮かび上がる。彼ら市民一人ひとりに物語があるように見えてしまう。

当時すでに富と名声を手に入れていた光と影の画家・レンブラント。
そんな彼がどうしてこのような、斬新な構図の集団肖像画を描いたのか。

1.挑戦。「俺は集団肖像画をこんな構図で描きたいんだ!」という野心。
2.プライド。「このレンブラント様が、庶民ごときに依頼された仕事なんぞ、
  そうほいほいと出来るか!」という傲慢。

1でも2でも、発表後の世間の評判を見れば理由がつく。
「絵画的」と称賛される一方で、クライアントの意に反したとして批判もされた。
後年の没落ぶりから言って後者が強かったようにも思えるが、なんともいえない。

そう考えると1と2、双方を複雑な心境で内包していたのかもしれない。
そう考えなければ現在も名画・傑作として残らなかったのではないか。
アムステルダム国立美術館にも展示されなかったのではないか。


<関連作>
Kadokawa Art Selection  レンブラント  光と影のリアリティ
熊澤 弘
角川書店(角川グループパブリッシング) (2011-02-25)
売り上げランキング: 397,413





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# by 3G_gi_gei_go | 2017-02-22 00:00 | 作品紹介(その他) | Comments(0)

ひかりごけ(小説)

ひかりごけ (新潮文庫)
武田 泰淳
新潮社
売り上げランキング: 32,812

作品名:ひかりごけ
著者:武田泰淳
発行:1954年(昭和29年)
あらすじ:
雪と氷に閉ざされた北海の洞窟の中で、生死の境に追い詰められた人
間同士が相食むにいたる惨劇を通して、極限状況における人間心理を
真正面から直視した問題作『ひかりごけ』。


本作の構成は独特極まりないものである。

前半は天然記念物の『ひかりごけ』を取材しにきた「私」に、
地元の中学校長がペキン岬の惨劇の話を『おかしくてたまらぬ風に』話す。
そしてこの惨劇を年若きS君が『小説的に』書いた郷土史の一項が記される。

後半は脚本風となる。括弧内のト書きと、人物名とセリフが最終ページまで
続くのである。内容は上記の惨劇の始終と、その後の裁判風景だ。
そして本作が最も、群像の輝き増したるは後半の脚本風小説場面である。

食人の罪で裁かれた唯一の生き残りである船長と、死んだ船員・八蔵と五助、
そして最後まで生きて生死の極限を見た少年・西川。彼ら四人がくりひろげる
遭難小屋での状況描写。そしてその後の裁判での、被告人・船長の描写。

脚本は映像的表現のための材料であるが、本作はあくまでも小説。
小説として、本作を核心部分を表現するため、後半の脚本風描写が功を奏している。

脚本は基本的にほとんどをセリフで表現される。ト書きで動きを示すが、
これらを十二分に表現発揮するのは役者の領分だ(と思っています)。

本作は脚本表現をもちいることで人物から、行為を分離させることに成功している。
船長の犯した食人の罪は、船長のキャラクターやバックボーンとはなんの関係もない。
これは舞台上で表現されたことだけが全てである演劇の、脚本表現によって見事に
表されている。

断罪されうる憎むべき行為が、しかし船長という登場人物に紐付かれずに、
ただそこにあっただけであり、それを私が読んだだけである、という心地よい
距離感のある読み方ができた。
キャラクターに肩入れしないで物語に没入することができるという、
満足する読後感を味わうことが出来た。

それだけで素晴らしい。


<関連作>
野火 (新潮文庫)
野火 (新潮文庫)
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大岡 昇平
新潮社
売り上げランキング: 9,022





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# by 3G_gi_gei_go | 2017-02-15 00:00 | 作品紹介(小説) | Comments(0)

悦ちゃん(小説)

悦ちゃん (ちくま文庫)
獅子 文六
筑摩書房
売り上げランキング: 26,062

作品名:悦ちゃん
著者:獅子文六
発行:1937年(昭和12年)
あらすじ:
悦ちゃんはお転婆でおませな10歳の女の子。ちょっぴり口が悪いのはご愛嬌、
歌がとても上手で、周りのみんなも目が離せない存在。早くに母親を亡くして、
のんびり屋の父親と二人で暮らしているが、そこへ突如、再婚話が持ち上がったから、
さあ大変。持ち前の行動力で東京中を奔走、周囲を巻き込みながら最後は驚きの事件が!
ユーモアと愛情に満ちた初期代表作。
(文庫・背表紙より)

昭和の流行作家・獅子文六の初の新聞小説。
昭和11年7月~昭和12年1月に報知新聞上で連載された。

悦ちゃんを中心にした大人たちの思惑が絡まり合い、
ストーリーはまったく予想にしない方向に進む。
次は一体どうなるのか気になり、ページをめくる手が止まらない。
特に後半の畳み込みはすさまじい。

少々トリッキーな展開もなくはないが、それもまた新聞小説の一興であろう。
リアルタイムに新聞で読んでいた人々は続きが気になって仕方がなかったに
違いない。テレビのない時代、新聞が娯楽も担っていた時代。
それほどに新聞小説は強いパワーを持ったコンテンツだったのだろう。

作中に描かれる戦前の東京。WW2手前の時代であるが、情景は鮮やかさと
エネルギーに満ちている。円タク、銀ブラ、昔ながらの江戸っ子などの
ノスタルジーな風俗はモチ出て来るが、ほかにも、セーラー服を着て
女学生コスプレをする20代前半のシャンな女性や、子役アイドルとして
歌手デビューする小学生など、昨今のサブカル界隈でよく見る展開が
約80年前にもすでに繰り広げられるのが面白い。
昔から変わっていないというか、昔からこういうのがお好きということだろうか。


<関連作>
娘と私 (ちくま文庫)
娘と私 (ちくま文庫)
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獅子 文六
筑摩書房
売り上げランキング: 262,401

連続テレビ小説第1作の原作。



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# by 3G_gi_gei_go | 2017-02-08 00:00 | 作品紹介(小説) | Comments(0)
オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分(字幕版)
(2015-11-01)
売り上げランキング: 115,618

作品名:オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分
発表:2015年・英
スタッフ:
 監督:スティーブン・ナイト
 脚本:
スティーブン・ナイト
 
出演:トム・ハーディほか
あらすじ:

ヨーロッパ最大規模のビル建設に伴う基礎工事を明日に控えた
工事責任者のアイヴァン・ロックは、帰路とは反対方向に車を走らせる。
ハイウェイを走る車のなかで様々な人びとに電話を掛けながら、
やるべきことに正面から向き合うため、一人ロンドンへ向かう。

ワンシチュエーションムービー。
本作は全編、車のなかであり、登場人物は運転する主人公のみ。
他の人々は姿を見せず、電話の向こうの声のみである。

彼が電話を架ける主な人物は、上司、部下、家族、そして不倫相手の4箇所。
主人公は自他共に認める義直で仕事一筋の石部金吉。
だからこその一夜の過ち。そしてこの夜の行動。

明日の大仕事も失敗させない、家族との絆も失わない。
そして新しい命も守る。正面から向き合えばきっと上手くいくと信じている。
それは彼がビルの基礎工事を仕事にしていることも、バックボーンとして効いている。

ビルの基礎工事が少しでもずれたら、上に建つ高層ビルは簡単に
倒れてしまう。手を抜くような仕事をするなと部下に叱責する主人公。
しかしその言葉は、今の彼自身への言葉でもあり上手い表現となっていた。

一人芝居の演技を愉しむ映画だ。


<関連作>
ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア [DVD]
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント (2015-12-16)
売り上げランキング: 4,061




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# by 3G_gi_gei_go | 2017-02-01 00:00 | 作品紹介(映画) | Comments(0)

様々なジャンルの群像劇作品を紹介します。更新完了。


by Wonder_Style_3G