2015年 05月 06日
ダージリン急行(映画)
ダージリン急行 [Blu-ray]
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20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (2014-02-05)
売り上げランキング: 949
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発表:2007年・アメリカ
スタッフ:
監督:ウェス・アンダーソン
脚本:ウェス・アンダーソン、ロマン・コッポラ、ジェイソン・シュワルツマン
出演:オーウェン・ウィルソン、エイドリアン・ブロディ、ジェイソン・シュワルツマンほか
あらすじ:
長男フランシス、次男ピーター、三男ジャックのホイットマン3兄弟。
彼らはフランシスの提案で、インド北西部を走るダージリン急行に乗り合わせた。
旅の目的は、父の死をきっかけに1年ものあいだ絶交状態にあった兄弟の結束を
再び取り戻すこと。
バイク事故で瀕死の重傷を負い、奇跡の生還を果たしたばかりのフランシス。
兄弟から父の遺品を独り占めしたと非難され、
妊娠7ヵ月の妻アリスとも上手くいっていないピーター。
そして、家族をネタに小説を書き上げたばかりのジャックは、
失恋の痛手を引きずっていた。
それぞれに問題を抱える3兄弟は、早々に衝突してしまうが……。
(以上、Amazonより)
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おそらくこの作品は群像劇ではない。
主人公である三兄弟は連なって列車旅行をするロードムービーで、
彼らがバラバラに別個の行動を取ることはほぼない。
なぜなら本作は三兄弟それぞれの絆を取り戻す旅行でもあるため、
行動を共にすることを旅のルールに据えるからだ。
それでも本作を紹介したいのは、
上記のルールにせよ、いや上記のルールだからこそ、
群像劇の肝的要素を際立って見せたのだ。
それは秘密の発生である。
秘密は群像劇における重要な要素だ。
一部の人物が知り、ほかの人物は知らないことでドラマが生まれる。
本作は、基本的に三人で行動するのだが、
たとえばトイレや電話などで一人が離れると、
残った二人だけで秘密の話(もう一人の悪口や、二人だけの内緒話)を
打ち明ける。そうして三人それぞれに差異を生じさせている。
そして秘密を話す相手が常に一緒ではなくバラバラであることが、
単純な1対2の対立にならず、三兄弟の複雑な関係性を浮き彫りにさせている。
群像劇でないにしろ、群像劇の重要要素を気づかされた名作。
なにより純粋に心を癒すストーリーで、
エンディングではきっと誰しもが口ずさんでしまうだろう。
序盤に紹介した「グランド・ブダペスト・ホテル」の
ウェス・アンダーソン監督作。
今作も好みが分かれる作品で、私は好きだ。
テンポ、構図、演出から醸しだす独特の雰囲気が、
心を安らげてくれる、暖かくしてくれる癒しの作品だ。
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<関連お勧め作>
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故・今敏監督作の劇場アニメ。
幼児を拾った三人のホームレスが、親探しのために東京を旅する。
道中、三人がホームレスになってしまった回想を織り交ぜながら旅をする様子は、
ダージリン急行に通じるところがある。
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by 3G_gi_gei_go
| 2015-05-06 02:04
| 作品紹介(映画)