2015年 10月 14日
やみなべの陰謀(小説)
作品名:やみなべの陰謀
著者:田中哲弥
発行:1999年(平成11年)
あらすじ:
「独立した、ジャンルも違う5つの短編が実は巧妙に絡み合わされ、ひとつの長編を構成する」田中哲弥の壮大な構想に基づき始まった雑誌連載に大幅な加筆、修正を加えた(いや、そうしないと話のつじつまが合わなかったわけではない。決して)必見の最新作、ついに登場!ある日突然、普通の大学生栗原守のもとに届けられた千両箱。これは果たして何者が、何の目的で彼に届けたのか!?「千両箱とアロハシャツ」「ラプソディー・イン・ブルー」「秘剣神隠し」「マイ・ブルー・ヘヴン」「千両は続くよどこまでも」、計5編を収録。
(以上、表紙より)
=============
元々は吉本興業の台本作家であった著者ということで、
「大阪」と「大阪ギャグ」がいわゆる「大阪的」に表現されている作品。
しかし全てが大阪ノリではなく、世紀末の世相も反映されているのか、
バッドエンディングの短編も複数あり、緩急が効いている。
あらすじにもある通り様々なジャンルの短編連作による
時系列シャッフル型の群像劇。ライトノベルであるため読みやすい。
最近(といっても2006年〉にはハヤカワ文庫で再販されている。
さらに同じジャンルシャッフル型の新作(といっても2006年)も
発売されているではないか。(下の関連作品のことです)
著者の特徴としてあげられるのはその文体だろう。
限りなく口語に近い文章。未改行で挿入されるセリフの応酬などなど、
人を選ぶ文体であることは確かだ。
はじめはとっつきにくい感もあるかもしれないが
慣れればそれが逆に癖になるだろう。
=============
<関連作品>
電撃文庫版しか持っていなかったので
今回はじめて知った。
============
by 3G_gi_gei_go
| 2015-10-14 23:54
| 作品紹介(小説)