群像劇パーティ!

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オーデュボンの祈り (新潮文庫)
新潮社 (2012-07-01)
売り上げランキング: 1,048


作品名: オーデュボンの祈り
著者:伊坂幸太郎
発行:2000年(平成12年)
あらすじ:
 コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気づくと見知らぬ島にいた。江戸以来外来から遮断されている“萩島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止できなかったのか。
(以上、文庫背表紙より)

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人気作家・伊坂幸太郎のデビュー作。
全体に漂うは、ときに非現実的で鼻につくと敬遠されがちだが、そもそもフィクションである小説なのだから、現実に忠実に描く必要はないという、どこかインタビューで筆者が語っていたとおりでもある。そもそも作品は作家の世界のため、筆者がそう考えた上での作品ならばそれが正しい。

あらすじにもある通り、宮城県沖にあると思われる架空の島と、宮城県県内で暮らす主人公の近辺の人々の視点が、切り替わりながら話が進む。一応、殺人(殺カカシ?)の犯人を推理するというミステリーの筋を持っていはいるが、基本的には登場人物のキャラクターが一番の魅力だろう。

視点が切り替わる群像劇では、どの人物でも各パートの視点者になりうる。そのとき読者を引っ張っていくには、どうしてもキャラクターが魅力的でなければならない。本作もその通りであり、善人は善人らしく、悪人は悪人らしく、しっかりと魅力を持っている。

筆者の作品をまだ読んでいない方ならば、デビュー作である本作をお勧めする。

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<お勧め作品>
アヒルと鴨のコインロッカー [DVD]
デスペラード (2008-01-25)
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著者の同名作の映画化。
著者の文体をそのまま映像にしたような良作。
伏線もしっかり効いており、後味も良い。

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by 3G_gi_gei_go | 2015-07-29 08:27 | 作品紹介(小説) | Comments(0)
ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ [Blu-ray]
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント (2013-06-26)
売り上げランキング: 13,601

作品名:ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
発表:1998年・イギリス
スタッフ:
 監督:ガイ・リッチー
 脚本:ガイ・リッチー
 出演: ニック・モラン、ジェイソン・ステイサム、ジェイソン・フレミング、デクスター・フレッチャーほか
あらすじ:
舞台はロンドンの下町。カード・プレーに自信満々のエディは、
友人3人を巻き込み、ギャングの顔役ハリーを相手にひと儲けしようと企むが、
逆に借金を作り、脅迫される身となる。そこにエディの父や麻薬王、
マリファナ栽培に精を出す上流階級のお坊ちゃんらが複雑に絡んで、
事態は思いもかけないバイオレントな大騒動に発展。
一体、最後に笑うのは誰か!
ガイ・リッチー監督とプロデューサーのマシュー・ボーン。
『スナッチ』で大ヒットを飛ばした才気ほとばしる20代コンビのデビュー作。
(以上、Amazonより引用)

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所感:
・「変態クラブ」は確かに名案な気がする。
・とりあえず「ファッキン」言い過ぎ。
・デクスター・フレッチャーが生瀬勝久にしか見えない。

大金があっちに行ったりこっちに行ったりする話し。
それぞれの話を断片的に見せて、それぞれ進み、少しづつ繋がっていく、
オーソドックスで分かりやすい群像劇。各人のエピソードも面白い。
そこにガイ・リッチー独特のユーモアと、小気味良い音楽、
そして若さあふれる大胆な演出を交えることで
珠玉のエンターテイメントに仕上げている。
今では世界的監督となったガイ・リッチーの名を一躍有名にした作品。

#個人的にはバカ騒ぎするシーンが好き。
#今作のアラン役が「スナッチ」ではあんな役柄になるなんて……

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<関連お勧め作>
シャーロック・ホームズ [DVD]
ワーナー・ホーム・ビデオ (2010-11-23)
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ガイリッチーの最近の作品。
ホームズの優れた洞察力は、少し未来の動きを予測する
「ホームズアクション」という演出で表現。
アクションシーン満載のガイリッチー仕立てのホームズが展開される。

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by 3G_gi_gei_go | 2015-07-15 07:01 | 作品紹介(映画) | Comments(0)
遥かなるセントラルパーク 上 (文春文庫)
トム マクナブ
文藝春秋 (2014-12-04)
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遥かなるセントラルパーク 下 (文春文庫)
トム マクナブ
文藝春秋 (2014-12-04)
売り上げランキング: 155,109

作品名:遙かなるセントラルパーク
発表:1982年・英
著者:トム・マクナブ
あらすじ:
ロサンジェルスからニューヨークまで5000キロ。
アメリカ大陸横断ウルトラマラソンがはじまる。
イギリス貴族、人生の逆転を狙う労働者、貧しい村のために走るメキシコ人、
ガッツを秘めた美しき踊り子……2000人のランナーが、
誇りをかけてセントラルパークめざして走りはじめる!
圧倒的な感動と興奮の徹夜本、堂々の開幕。
(以上、文庫の背表紙より)

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本作はあらすじにある通りマラソン小説である。
つまり本編の大半が走っている描写や、レースの掛け引きの描写
――だと思ったら大きな間違いである。
本作は登場人物の過去、このレースに参加するまでの経緯のほか、
レース以外での選手らの交流などにページの半分以上を割かれている。
それにより、彼らの走る目的、説得力を強くしている。
群像劇作品のセオリーである人物視点の切り替えも頻繁であり、
レース中はそれぞれの順位で、それぞれの状況・心境を描写することで、
それぞれの人物に感情移入しやすくなっている。
さらに読者自身が日頃ランニングしているならば、
その心理描写、肉体描写は頭だけでなく身体でも理解できるため、
面白さはさらに倍増するだろう。
複数のランナー視点で描かれる本作。あらすじの書き方からも分かるように、
明確な一人の主人公が定められているわけではない。
未読の人はもしかしたら『最終的に一番になった人物だろう』と
思われるかもしれないが、そんな単純ではない。
いわゆるスポーツものの作品であるため、
物語の最終目標は『勝つか負けるか』と判りやすい。しかしそんなに単純ではない。
本作に『主人公たち』は存在するが、『主人公』はいない。

いや、いた。
明言すれば一人だけ、『主人公』足りえる人物は存在していた。
それは原題にもなっているチャールズ・フラナガンその人だろう。
(原題:FLANAGAN'S RUN)
彼はマラソン出場者ではない。本作のアメリカ横断マラソンを企画し、
運営する興行主だ。そう聞くと、マラソンランナーたちとは関係のない
立ち位置ではないのか、と疑問を募らせるだろう。その通りである。
彼はレースに参加しない。しかしレースを無事成功させるためレースの外側で、
直面する困難に次々と立ち向かう。おそらくフラナガンを描く描写が
本作の3分の1を占めているのではないだろうか、ちゃんと数えていないが。
とにかくも本作・遙かなるセントラルパークは、
その帯に載っている煽り文句通りに『徹夜するほど面白い』と言っても
過言ではないだろう。
しかしこれから読む方が注意して欲しいところは、
本作にストイックなスポーツ小説を期待しないことである。
そうしてしまうと、いささか肩透かしを食らうかもしれない。
本作は純粋なマラソン小説ではなく、1980年台に書かれた、現代でも十分通用する、
純粋なエンターテイメント小説である。

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<関連お勧め作>

あらすじを読んでピンと来た方もいるかも知れない。
現在も続く大作・ジョジョの奇妙な冒険の、第七部として連絡されていた
この作品は、サンディエゴからニューヨークまで馬で走る作品。
途中にチェックポイントがあったりと、明らかに本作をモチーフにしている。
両方読んで、それぞれのエンターテイメント性の違いを楽しんで欲しい。

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by 3G_gi_gei_go | 2015-07-08 03:10 | 作品紹介(小説) | Comments(0)

様々なジャンルの群像劇作品を紹介します。更新完了。


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