群像劇パーティ!

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ぼくたちの好きな戦争 (新潮文庫)
小林 信彦
新潮社
売り上げランキング: 288,730

作品名:僕たちの好きな戦争
著者:小林信彦
発行:1986年(昭和61年)
あらすじ:
たのしい戦争、ゆかいな戦争、一度やったらやめられない―。
束の間の大勝利に酔い、大戦のノリを満喫する東京・下町の和菓子屋一家。
辞世の歌でギャグ合戦を展開する南の島の兵士たち。そしてアメリカ海軍の
少尉の手になる抱腹絶倒の近未来小説。めまぐるしく舞台を移しながら、
戦争は際限なく喜劇として描かれてゆく。あらゆる手法を駆使し、
笑いと仕掛けで構築したポップ戦争巨編。

(背表紙より)

私は小林信彦が大好きである。好きすぎて読み渋りするほどである。
というわけで本棚には〈わざと〉積読している氏の作品があと数冊ある。
そのなかで群像劇な作品は都度都度紹介する予定だ。

そんなわけで本作・僕たちの好きな戦争。
なんというか氏の文体をもってしても舞台の時間と、人物の視点が
目まぐるしく飛び回り、さらにはかなりのページを割いた作中作がぶちこまた結果、
全編を通した煩雑さをかもし、いささか混乱しながら読んだ。

しかしこの混乱こそ、戦時中の銃後の人々の暮らしそのものだったのだろうか。
空襲で家は焼かれ、家族や近所の人々はいなくなり、明日が今日の延長線上に
乗っていない日常を過ごす人々の心理状態。それこそ本作の全体に流れている。

なにかのエッセイで作者が、本作は難産だった旨を記していた。
それもまた心地よい混乱を来す読後感をかもす要因かもしれない。

(余談だが本作2冊買ってた)

<関連作>
2001年映画の旅―ぼくが選んだ20世紀洋画・邦画ベスト200
小林 信彦
文藝春秋
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by 3G_gi_gei_go | 2017-01-25 00:26 | 作品紹介(小説) | Comments(0)

感情8号線(小説)

感情8号線 (祥伝社文庫)
畑野 智美
祥伝社 (2017-01-12)
売り上げランキング: 180,870

作品名:感情8号線
著者:畑野智美
発行:2015年(平成27年)
あらすじ:
荻窪で暮らす劇団員の真希はバイト仲間に片思い中。彼には彼女がいるのに
思いを断ち切れない。八幡山で同棲中の絵梨は彼に暴力を振るわれているが、
今の生活を手放せない。二子玉川の高級マンションに住む専業主婦の芙美は
夫の不倫に苦しんでいる。同じ道沿いに暮らしているのに、恋愛も悩みも
人生もみんな違っていて……。幸せへ遠回りしてしまう女性たちの六つの物語。
(文庫・背表紙より)

2017年1月からの連続ドラマ化に合わせて文庫化したものを読了。

上記あらすじで説明完了しているが、一本の幹線道路をマクガフィンとして
6人の女性視点を各1話とした全6話の短編集。しかし登場人物はすべての話で
つながりをもっており、短編集というよりは章分けの長編と言った印象。

環状八号線の沿線のそれぞれの街。道一本でつながっているにも関わらず、
メインの移動手段である、電車で考えてしまうと実は遠い。
『近いのに遠い』それぞれの街。『まっすぐ行けずに遠回りしてしまう』それぞれの街。
本作ではその描写をそれぞれの話でくりかえし表現している。
それは地理的なものだけでない暗喩のようにも読めてくる。

性格の違う女性6人+脇役数名を、細かな所作表現・描写で
書き分ける筆致は見事。実際の地名や、人物の過去・背景もしっかりと
書かれているため、登場人物はどれも説得力を持って毎日を生きていると感じる。

いわゆるオーソドックスな群像劇。


<関連作>
運転、見合わせ中
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畑野 智美
実業之日本社
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海の見える街 (講談社文庫)
畑野 智美
講談社 (2015-09-15)
売り上げランキング: 63,122




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by 3G_gi_gei_go | 2017-01-18 00:00 | 作品紹介(小説) | Comments(0)

様々なジャンルの群像劇作品を紹介します。更新完了。


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