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ロッキン・ホース・バレリーナ (角川文庫)
大槻 ケンヂ
角川書店
売り上げランキング: 39,957

作品名:ロッキン・ホース・バレリーナ
著者:大槻ケンジ
発行:2007年(平成19年)
あらすじ:
十八歳で夏でバカだった!
バイト暮らしの耕助は、仲間のザジ、バンとパンクバンド「野原」を組み、
生まれて初めてのライブツアーへ出かけた。行く先々でグルーピーを
引っかける予定が、謎のゴスロリ娘のヒッチハイクで旅は思わぬ方向へ。
彼女、七曲町子の正体は? ツアーファイナルは成功するのか? 
耕助と町子の恋の行方は? 爆笑と感動、大槻ケンヂの青春ロック長編小説。
忘れることなんて絶対にできない最高に熱かったあの季節。



久しぶりの一気読み本だった。
スリーピース少年バンドと、38歳❝負け犬❝マネージャ、そしてワケありの
女の子を載せたハイエースが、東京から博多までライブをしながら走る
青春小説。なんせ「18歳」と「夏」と「バカ」なのだ。青春の典型を思い
浮かばずに入られないし、実際、内容は夏の青春がつめ込まれていた。

本作の主人公はおそらくバンドボーカルの耕助であり、謎の少女「町子」で
あるだろうが(あとがきにもある通り)夢を諦めたおっさん達へ向けて、
「得山」というキャラクタも、主人公級の立ち回りを見せる。
3人の過去や境遇を回想しながら、西へむかう旅路で心の変化・成長していく。
バックボーンには暗いものが流れているが、舞台である夏の風景が、そんな
重苦しさをふきとばせてくれる。

いわゆるロードムービ的な群像劇。
ダージリン急行もそうだったように、この手のパターンとして、

【目的地A】→【道中(車内〉】→【目的地B】→【道中(車内)】・・・

が繰り返されて話が進む。「目的地」では個々が自由に行動できるため、
身体行動を伴う、対外向きのアクティブな「動」が展開される。
結果、人物の性格が見えてくる。人物の過去などにつながる「きっかけ」も
提示される。
その後「道中」では皆が一箇所に固まるため、おのずと仲間内だけの
展開となる。会話行動などでの仲間内の「静」が展開され、動で現れた
「きっかけ」を使って、さらなる謎や、新たな答えが発見される。
人物の関係性はさらに深みをまし、読者は親近感を強くする。
この繰り返しにより、読者も登場人物と一緒に旅路をしているような感覚を
得るのかもしれない。

筆者の経験が多分に反映されており、筆者自身も大好きな作品と評する本作。
すっかり夏本番。帰省の車や電車内で読みふけってはいかか。


<関連作>
グミ・チョコレート・パイン グミ編 (角川文庫)
大槻 ケンヂ
角川書店
売り上げランキング: 59,675

「筋肉少女帯」で有名な筆者だが、その才能は小説も発揮されまくり。
青春系が多いので、この夏暇なら作者読みしてみては。



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by 3G_gi_gei_go | 2016-08-03 00:18 | 作品紹介(小説) | Comments(0)

様々なジャンルの群像劇作品を紹介します。更新完了。


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