2016年 02月 17日
予告された殺人の記録(小説)
予告された殺人の記録 (新潮文庫)
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G. ガルシア=マルケス
新潮社
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作品名:予告された殺人の記録
著者:G・ガルシア=マルケス
訳:野谷文昭
発行:1983年(昭和58年)
あらすじ:
町をあげての婚礼騒ぎの翌朝、充分すぎる犯行予告にもかかわらず、
なぜ彼は滅多切りにされねばならなかったのか?
閉鎖的な田舎町でほぼ三十年前に起きた、幻想とも見紛う殺人事件。
凝縮されたその時空間に、差別や妬み、憎悪といった民衆感情、
崩壊寸前の共同体のメカニズムを複眼的に捉えつつ、モザイクの如く
入り組んだ過去の重層を、哀しみと滑稽、郷愁をこめて録す、熟成の中篇。
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ノーベル文学賞受賞者の群像劇。港のある小さな田舎町で起こった
惨忍な殺人事件について、被害者の友人でもあった「わたし」が
町人たちに話を聞きながら、事件の真相を知ろうとする。
説明も少なく(もしくは後回しで)登場するたくさんの人物たちは、
誰も彼も、自分たちの立場・職業・身分をキッチリとこなしながら
当たり前の『ケ』の日々を過ごしている。そんな日々に稀に訪れた
素晴らしい『ハレ』の日によって、今回の事件が誘発された。
日常の隙間に入り込む非日常は、喜びか悲しみもしくはその両方を
引き起こす。それは非日常が入り込むまで分からない。
本作はミステリーではない。犯人は冒頭に説明されるし、犯行動機も
ストーリー中盤でしっかりとなされる。本作はこの事件前と事件後の、
人々の営みの変化、人間関係の変化を楽しむ作品であると感じた。
ラテンアメリカ文学独特の文体は、読む人の好みがはっきりと分かれるだろう。
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<関連作>
百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)
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ガブリエル ガルシア=マルケス
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著者の代表作。
焼酎ではない。
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by 3G_gi_gei_go
| 2016-02-17 01:28
| 作品紹介(小説)